18年7月発売のパナソニック電動アシストクロスバイク「XU1」はちょっぴり低価格
パナソニックのe-BIKEはMTBタイプの「XM1」「XM2」、そしてクロスバイクタイプのXU1というラインアップ。
パナソニックXU1はXM1と共通の自社製ドライブユニットを採用している。
雑誌やテレビなどでは話題性の方を重視して、MTBタイプのe-BIKEが取り上げられていますが、MTBタイプを使って愉しむようなラフな道が少なく、地方まで道路の整備が行き届いている日本では、XU1のようなクロスバイクタイプのほうが主流になる可能性が高と思われます。
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XU1でまず印象的なのは品質に対しての値付けの安さである。
各部の仕様から判断して22万5000円という希望小売価格はかなりのバーゲン。
特にフレーム&フロントフォークのがっちりとした造り。普通の自転車とは完全に別物で、フロントフォークの太さ、溶接面積の広さは圧巻である。
さらに標準装備のアルミ製の前後泥よけやリアキャリア、スタンドはいずれも汎用品ではなく、専用に設計・デザインしたものと思われ、コストがかかっていそうだ。しかも車体の生産はパナソニックの柏原工場、つまり日本製であり信頼がおける品質といえる。
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日本ではまだまだe-BIKEの認知度が低いため、いわゆる戦略価格になっている。
ヤマハの「YPJ-EC」(26万円)、ミヤタ「クルーズ」(26万9000円)と比べてもリーズナブルだ。
安くなっているのには訳がある。
その理由のひとつはバッテリーの容量。
XU1のバッテリー容量は8.0Ahと、前述したライバル2台よりも少ない。
YPJ-ECとクルーズは標準的なアシストモードで走行距離100kmを超えるのに対し、
XU1は約57km(AUTOモード)とかなり短い。約半分の距離だ。
長距離走行はしない市街地での使用をメインにしたコンセプトのように感じる。
オートモードで走ってみると「走る、曲がる、止まる」の挙動が正確かつ安定している。
XU1のフレーム&フロントフォークは剛性と共に精度も高いようだ。
700×50CというMTB並みに太いタイヤの採用は接地面積が増えて抵抗が大きくなるが、e-BIKEならばその欠点をモーターアシストで補うことができる。
乗り心地が良く、荒れた道でも安心して走ることのできる太いタイヤのほうが総合的なメリットは大きい。
XU1でアシストがほとんど効かなくなる20km/h以上の速度を維持するのはそこそこ骨が折れる。
細いタイヤを採用するYPJ-ECの場合、平地ならアシストが効かなくなる24km/h以上の速度域でも巡行が可能だったが、XU1は基本的に常時アシストを効かせた20km/h以下の状態で走るのが前提の自転車だ。
つまり100km以上の長距離は走らないし、脚力にもちょっと自信がなく速度もほどほどのシニアや初心者向け仕様といえるかも…
脚力に自信のある方は電動アシストはいらないし、長距離を走らせるロングライドにとって、上り坂のアシストが欲しいが重量は極力軽くしたいのだから…